CB1100R誕生の背景をタミヤ1/6 CB1100Rの説明書より紹介します

耐久レースの王者、RCB
国内はもとより海外でも大好評を集めたホンダCB750フォアにより開拓された日本製ビッグバイクの分野ですが、ホンダはこのCB750をベースにレーシングバイクを開発します。そして、1967年を最後に中止していたレース活動を再開することになったのです。
ホンダの本格的なレース活動再開は、1975年のこと。市販車をベースに改造したマシンで争われる耐久レース選手権がその舞台となりました。
人気の中心となった4気筒エンジンを搭載したCB750フォアはそれ自体、すでに最高速度200キロを誇る高性能車で、レーシングタイプの改造モデルはデイトナ200マイルレースで優勝するなどの活躍を記録していました。そんなCB750をベースに作り上げられた耐久レーサーがRCBです。CB750のSOHCエンジンは、より高度なDOHCに改造され、排気量も994ccまでアップされました。その他にもさまざまな技術的トライが盛り込まれたRCBは、有名なボルドール24時間レースをはじめ数々の勝利を記録します。
この圧倒的な強さを誇った耐久レースの王者、RCBの技術をフィードバックして、1979年、ホンダはCB900Fを発売、多くのファンからはRCBレプリカと呼ばれ、スーパースポーツバイクとして高い人気を集めます。
このCB900Fは日本国内では発売されない輸出専用バイクでしたが、同じスタイルとメカニズムを持ってエンジンを750ccとしたCB750Fが国内でも発売され、日本のファンにも大きな反響を集めます。そして、人気ナンバーワンのナナハンとなったのです。
ロードゴーイングレーサー、CB1100R
オートバイメーカー各社は大排気量車をその技術のシンボル的存在と位置付け、ラインアップの頂点に据えていました。ホンダは1978年に6気筒DOHC1000ccというハイメカニズムなエンジンを搭載したCBXを発表。ホンダスーパースポーツのトップモデルとして高い人気を集めていますが、より走りに重点を置いた高性能モデルを開発します。それが、1980年に発表されたCB1100Rです。
CB1100Rが初めてその姿をあらわしたのは、1980年の8月にイギリスで行われたモーターサイクルショー、アールズコートショーでのこと。日本のナショナルカラーとも言える鮮やかなレッドとホワイトに塗りわけられた1100Rは、シングルシート、クリップオンハンドルなど、レーサー然としたスタイルと共に入場者の人気を一身に集めたのです。続く9月には西ドイツのケルンで開催されたIFMA(イフマ)ショーにも展示され、ファンの期待はますます大きなものとなっていきました。
CB1100RはRCBレプリカと呼ばれて人気の高いCB900Fをベースによりチューンアップされて誕生したモデルです。もちろん、基本的な構成はCB900Fと同じですが、ぐっと戦闘的なイメージを生み出しています。
まず、エンジンは空冷の並列4気筒DOHC16バルブで、CB900Fよりもボアを5.5mm広げて70mm×69mm(ボア×ストローク)とし、排気量を901ccから1062ccへアップ。圧縮比も900Fの8.8から10.0へ高められ、細部のチューンアップにより実に115馬力のパワーを生み出しています。そして、クランク両端のカバーは下方が斜めにカットされ、バンク角に影響を及ぼさないよう設計されいてるのも高性能モデルならではでしょう。
レッドの塗装が施されたフレームはパイプを使ったダブルクレードルタイプ。サスペンションはフロントエアー加圧式、リアにはリザボアタンクがついたダンパーを装備しています。もちろん、各セッティングは900Fとは微妙に異なっていることは言うまでもありません。ブレーキはフロントがダブル、リアがシングルのトリプルディスクで、前後ともツーポットキャリパーを採用しています。
スタイリングは カウリングとシングルシート、そして、アルミ製のロングタンクによって、まさにレーサーそのものです。ハンドルももちろんクリップオンタイプ、ステップも大きく後退したバックステップ。外観だけでなく、ライディングポジションも前傾したレーシングタイプのものとなります。
ブラックコーティングされたエンジン、マフラー、 レッドのフレームとゴールドのコムスターホイール、そして、赤と白に塗り分けられたカウルとタンクとカラーリングもそのハイパフォーマンスを強調します。
乾燥重量は233kgに抑えられ、最高速度は230km/h、0-400mはわずか11秒で走り切るという高性能を秘めているのです。まさに、公道を走ることのできるレーサーと言えるでしょう。
また、各種のレースに出場するためのオプションパーツも用意されていたと言われています。実際、各オーナーの手によって各地のレースに登場し、多くの活躍を記録しているのです。
世界中のモーターサイクルファンを大きな興奮に包み込んだCB1100Rは、1982年型になってグランプリレーサーを思わせるようなフルカウリングを装着。ブレーキもベンチレーテッドディスクとなり、アンチノーズダイブ機構も装備するなど、よりいっそうエキサイティングなモデルとなって登場。ホンダスーパースポーツの頂点モデルとして、ファンの熱い視線を集めつづけています。

(1999/5/13)

